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ピタゴラス数作り

過去ブログの転載です。

ピタゴラスの定理  a^{2}+b^{2}=c^{2} を満たす自然数の組 (a,b,c)ピタゴラスといいます。

ピタゴラス数は無限にあり、それを量産する公式も既に見つかっていますが、公式を使わなくても、割とお手軽に量産できる方法があるのでご紹介します。

左辺が連続する二数 x,(x+1)であった場合の右辺が (x+a)であったとして、 x^{2}+(x+1)^{2}=(x+a)^{2}が成り立つとします。ここでは、aが分かってるときにxを求める式を作ってみましょう。

x^{2}+(x+1)^{2}=(x+a)^{2}
x^{2}+x^{2}+2x+1=x^{2}+2ax+a^{2}
x^{2}+2(1-a)x+1-a^{2}=0
 x=a-1\pm\sqrt{(a-1)^{2}-(1-a^{2})}
 x=a-1\pm\sqrt{2a(a-1)} … ①

これで、aからxを逆算できるようになりました。と言っても、aが何でもいいわけではなく、ルートの計算結果が整数になるものじゃないと求められません。

有名なピタゴラス数に (3,4,5) がありますよね。 3^{2}+4^{2}=5^{2} です。この場合はx=3,a=2ですよね。実際にa=2を入れて試してみると、

 x=2-1\pm\sqrt{2\times2\times(2-1)}
 x=1\pm\sqrt{4}
 x=1\pm2=-1,3

となって、x=3が求まります。

ここで、上のピタゴラスの定理の式をこんな風に変形してみましょう。

 3^{2}+4^{2}=5^{2}

 (-3)^{2}+(-4)^{2}=5^{2}

にするのです。2乗してもプラスのまま変わらないから、左辺はそのままですね。左辺の項の順番を変えて、

 (-4)^{2}+(-3)^{2}=5^{2}

としてやれば、なんとどうでしょう。

 x^{2}+(x+1)^{2}=(x+a)^{2}

と見比べれば、x=-4,a=9という、新しい式が出来てるではありませんか。つまり、a=9ならx=-4が出てくることを意味します。それでは①式に、ここで出て来たa=9を代入してみましょう。

 x=9-1\pm\sqrt{2\times9\times8}
 x=8\pm\sqrt{144}
 x=8\pm12=-4,20

確かにx=-4が出てくるのも確認できますが、それよりもう一つの解としてx=20が得られていることに気づきます。ということは、こんなピタゴラスの定理の式も成り立つことを意味しているのです↓

20^{2}+21^{2}=29^{2}

これは全く新しいピタゴラス数ですよね。

こんな風に、すでにあるピタゴラス数の式の左辺をマイナスで置き換えてやって、①式を繰り返し適用すればどんどんピタゴラス数を作っていけるのです。

もう一回やってみましょう。

20^{2}+21^{2}=29^{2}

(-21)^{2}+(-20)^{2}=29^{2}

に置き換えてやれば、a=50ですから、①式を適用して、

 x=50-1\pm\sqrt{2\times50\times49}
 x=49\pm\sqrt{4900}
 x=49\pm70=-21,119

となるので、次の新しいピタゴラス数が見つかります。

119^{2}+120^{2}=169^{2}

ね、楽しいでしょ。このように、二数が連続するピタゴラス数はどんどん量産できます。