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かぶるくん数列

とっとこハム太郎に登場する「かぶるくん」というキャラクターがいかに不憫であるかを示すものとして、かぶるくん数列を考案します。一応念のためだけれど、かぶるくんというキャラクターを非難したいわけじゃないからね。むしろ逆だよ;_;

(お遊びの度合いとしては、↓この記事と大して変わりません)

fermiumbay13.hatenablog.com

かぶるくんについて

とっとこハム太郎のアニメでは標準的なメンバーが15匹決まっていて、その中の1匹にかぶるくんがいます。でも15匹の中では断トツで登場頻度が低く、登場したとしても、「わあ!」とか「んー」とかぐらいしか言わない、言葉をしゃべったとしても誰かの意見に賛同する相槌程度の言葉しか発しない、大抵べつにいてもいなくても正直 話の内容に影響がない……、など、たいへん目立たないキャラクターになってしまっています。*1

放映されていたアニメ全296話のうち、かぶるくんが主役になった話は、第21話、第81話、第106話、第120話の、4話しかありません*2。296話もあったら、15匹いたとしても1匹につき最大20話近く主役回を設けられるチャンスがあるはずですからね? 何度か出てくるゲストキャラクターの方が主役回が多いというあんまりな待遇です。主役回でないときもしゃべってさえくれていたら、そんなに不遇にも感じないのですけれど、これら4話以外では本当に全然しゃべらないので、この4話ぐらいでしかかぶるくんをちゃんと確認できないのです。

私はかぶるくんがこんなに不遇な扱いを受けているのが悲しいのです。ここまで結構散々なことを書いてきたかもしれないけれど、私はかぶるくんが一番好きなので、もっと目立ってほしいし、色々しゃべってほしいわけです。この記事もどれだけかわいそうなのかを共有したくて書いてます……*3

かぶるくん数列

かぶるくん数列とは、かぶるくんの主役回が第何話であるかを与える数列です。以下です。

かぶるくん数列

\displaystyle C_{n}=4n^{3}-\frac{83}{2}n^{2}+\frac{313}{2}n-98

n=1,2,3,4を順に代入すると、C_{n}=21,81,106,120になります。主役回が順に、第21話、第81話、第106話、第120話であることを意味します。

試しにn=5,6,7を代入してみると、C_{n}=147,211,336になります。全296話ですから336は不適ですので、あと第147話、第211話も主役回だろう、主役回は全部で6話だろう、ということをこの数列は言ってることになります。

実際は4話しか主役回がないので、この数列の予想にも満たないということですね。この数列で例えばn=5を代入したときに296より大きな数になるのなら、まぁ、無くても仕方ないのかな…とか割り切れるのかもしれませんが、そうではなくて主役回がもっとあるはずだという予想をしているわけですから……それぐらい不憫なんだぞ、ということを伝えるための数列ですこれは。実際の第147話、第211話は見たことないですけれど、どうもかぶるくんが主役になってる内容とは程遠いようです(そもそも登場してるか?)。

かぶるくん数列の導出

導出は読み飛ばしてだいじょうぶです^^; 単純にやるなら3次方程式の係数を4本連立させれば求められるのですけれど、ここでは別の方法で、階差数列を使って求めてみましょう。

次の項への増減値を求めていき、それぞれ階差数列を作っていきます。三階層ありますね。ここからC_{n}の一本の式を作ります。

\displaystyle C_{n}=21+\sum_{n=1}^{n-1} \left( 60+\sum_{n=1}^{n-1} \left( -35+\sum_{n=1}^{n-1} 24 \right) \right)
\displaystyle =21+60\sum_{n=1}^{n-1}1-35\sum_{n=1}^{n-1}\sum_{n=1}^{n-1}1+24\sum_{n=1}^{n-1}\sum_{n=1}^{n-1}\sum_{n=1}^{n-1}1

このシグマの展開は、ポッホハマー記号を使うと簡潔に表現できます。詳しくはこちらです↓

fermiumbay13.hatenablog.com

ポッホハマー記号を使って、

\displaystyle \overbrace{\sum_{n=1}^{n-1}\sum_{n=1}^{n-1}\cdots \sum_{n=1}^{n-1}}^{a}1=\frac{1}{a!}(n-a)^{[a]}

という式を作れます。これを当てはめると、こうなります。

\displaystyle =21+60 \frac{1}{1!}(n-1)^{[1]} -35 \frac{1}{2!}(n-2)^{[2]}+24 \frac{1}{3!}(n-3)^{[3]}
\displaystyle =21+60(n-1)-\frac{35}{2}(n-2)^{[2]}+4(n-3)^{[3]}

これで求められました。このやり方のメリットは、最後の形がこれでもいいならほとんど計算することなく求められちゃうところです。*4

正直このままで別にいいんじゃないかと思うのだけど、ポッホハマー記号をなくした形に展開すると、

\displaystyle =21+60(n-1)-\frac{35}{2}(n-2)(n-1)+4(n-3)(n-2)(n-1)
\displaystyle =4n^{3}-\frac{83}{2}n^{2}+\frac{313}{2}n-98

となります。ポッホハマー記号からの展開はスターリング数を使うと効率的に求められる…かもしれません。

実際かぶるくん不憫なのか?

まぁ、これまで上げたとおり全296話中4話しか主役回が無い、それも主役回が次は第何話になるだろうという予想をする式(かぶるくん数列)に当てはめてみても予想に反して主役回にならない、主役回以外では本当に目立たない、ということからも、不憫なのは明らかでしょう。

でも、それはあくまでアニメ放映当時の話です。実は最近だとそういうわけでもないっぽくて……ハム太郎は今でも新しいグッズが出たりとか、ゲームとコラボしたりとか、割と動きのあるコンテンツなのですけど、あの標準メンバー15匹を差し置いてしばしばかぶるくんが手前の方に出てきているそうなのです。

今までこんなこと無かったんじゃないか?? 実は意外なことに、かぶるくんファンの方々結構いるらしくて、何らかのキャラクター投票みたいなもので一位になったことがあるらしいのです。それが公式にフィードバックされていたら嬉しいことですよね。これまで不遇な扱いだったかぶるくんが、もし本当に今の調子で人気者になりつつあるのだとしたら、もうかぶるくんというキャラクターは不憫ではないのかもしれません。応援したくなるぞホントに。

がんばってどんどん広まってくれかぶるくん!

最近勝手によくベイ助と絡ませてみてます。明らかに大きさが違う気がするのだけど気にしないでね。

*1:「(アニメに)出ん出ん無視無視かぶるくん おまえの出番はどこにある 絵を出せ声出せ出番出せ」という悲壮感のこもったフレーズがあるぐらいです ←友達の方作

*2:本当の意味で主役なのは第21話と第120話だけな気もするのだけど…^^;

*3:まぁ、ある程度 面白がって書いてるのだがね…^^;

*4:数列を扱うなら、このポッホハマー記号を残す形でもいいんじゃないかって正直思うのだけど……どうなのかね?