2乗の筆算
過去ブログの転載です。
ルートの筆算は慣れると速くできるようになりますが、それを戻す、すなわち2乗を計算するのは、おもいのほか時間が掛かることが多いです。
一般的に2乗を計算するには、同じ数同士の掛け算を筆算で求めるということをします。それが大変なのです。
例えばこれは65536の2乗を計算する手続きです。答えは4294967296です。1桁×1桁の掛け算(九九)を求める回数は25回もあります。その都度繰り上がりの足し算を考慮しなければならないので、慣れていてもやはり時間が掛かってしまうでしょう。
また、掛け算は掛けられる数と掛ける数をひっくり返しても同じ値になるので
実は半分ぐらい無駄な九九を唱えているのです。
そこで、2乗専用の筆算を考えました。
こんな形をしております。砂時計みたいですね。時短の意味合いもこめて砂時計算と名乗ることにしましょう。
以上の結果ももちろん4294967296で答えが一致しますが、九九を唱える回数はこちらは23回でちょっと削減されています。そのうちの8回は33485818×2=66971636の計算のときのものですので、単なる2倍は慣れていれば九九を唱えるより速くできますから、実質15回+αぐらいと言えます。
計算のしかたをこれからかきます。
まず、初めの方の区切りでは2桁をひとかたまりと見ています。
65536の直下にそれぞれの2乗の値を規則正しく並べます。その下では、求める位置の値が間になるような位置の数同士の掛け算の結果を書きます。
例えば上図では18と30を求めています。3と6の間にある数は、3×6=18、6と5の間にある数は6×5=30、という要領です。
次の段になるたびに離れてる数同士を掛け算していくようにします。なので一番下は左端の6と右端の6を掛けて、6×6=36になりますね。
次に、一番初めに求めた3625250936の段を除いた部分だけ足し算の筆算をします。空白は当然0があると考えます。33485818になりますね。
そして、この33485818を2倍したものを次の段に書きます。66971636になるでしょう。2倍なので、慣れていれば左の位から順に求めることもできます。
最後に、この求まった66971636と、初めの段の3625250936を足します。
66971636は一個ずれているので、669716360+3625250936であることに注意してください。
そうすると答えである4294967296が得られます。
この2乗の筆算は大きな数になればなるほど有効的です。
例えば4294967296の更なる2乗を求めますが、これを普通に掛け算の筆算でやると上みたいなことになります。九九の回数は100回です。
私はやりたくありません。上の数値は電卓で求めました。
それがこの2乗の筆算を用いますと、九九の回数は73回に、そのうち18回は2倍の計算のものなので、それを除くと55回にまで削減されます。これならまだやる気になりますでしょ。
また、普通の筆算だと桁が大きくなっていくと筆算全体が左にどこまで寄っていくか
やってみないと見当がつきませんけれど、この2乗の筆算だと初めに横幅が固定されるので、スペースをあまり気にしなくてよいという利点もございます。
欠点を挙げるなら、離れてる数同士の掛け算がよくわかんなくなっちゃう点でしょうかね。
原理ですけれど、大したことはしてません。掛け算の筆算の一手法にネイピアの骨というものを使ったものがあるのですが、その筆算に使う数を半分削減して2倍するようにしただけです。