6÷2(1+2)=?
過去ブログの転載です。
一種の心理テストみたいな問題です。何でかって?? 実は人によって答えが変わるんですよ。答えは何だと思いましたか?
答えは9だと思ったあなたは
6÷2(1+2)は、掛け算の省略が入っているので、本当は6÷2×(1+2)だから、かっこを先に計算して6÷2×3になり、答えは9、と導かれましたね。
そんなあなたはおそらくとても堅実です。石橋を叩いて渡る方ともいえるかもしれません。掛け算が省略されており、掛け算は割り算と同じ優先度で計算するのだから、順番に処理していけば、自ずとこれは9が答えとなるでしょう。堅実に事を進めることが出来る反面、ちょっと頑固なところがあるかもしれませんね。
答えは1だと思ったあなたは
2(1+2)を、2xのような一つの塊と捉えられたのですよね。6を「2(1+2)」で割る、という式と解釈されたのでしょう。それなら、2(1+2)=6ですから、これは6÷6=1となるので、答えは1となります。
こう捉えたあなたはおそらく全体を俯瞰し、大胆に事を進められる方でしょう。考えるより先に行動する方かもしれません。処理が素早い反面、ちょっと雑な所があるかもしれませんね。2(1+2)は掛け算を省略してこうなってるのではなくて、(1+2)が2倍である、というように、(1+2)の「係数」と捉えれば、割り算より優先してこちらを処理しなければならないのは当然です。
それ以外の答えだと思ったあなたは
それ以外の答えが、仮に出て来たというのであれば、それはあなたの計算ミスです。それ以外の答えは出てきうる問題ではありません(-_-;) それともまったく斬新な解き方が存在し、それを導き出したのであれば、あなたは天才かもしれません。もしそうなら、私が稚拙でしたごめんなさいゆるしておねがいします
問題がおかしいと思ったあなたは
この話題を知らずして、問題がおかしいという結論に自力でたどり着いた方は、おそらく考え方によって9にも1にもなることを先に知っていて、それを冷静に分析されたということになります。探偵に向いてるかもしれませんね^^; さすがですね。
実は問題がおかしいと言われている
さっきの心理テストみたいな記述は私が思い付きで書いたので、完全に無視して頂ければいいです。当たってるかも!って思ったでしょ? それはバーナム効果っすよ。
この話題、とりあえず私は8年ぐらい前にyahoo!知恵袋で話題になっていたのを把握したのですが、もしかしたらもっと前から議論されていたような問題かもしれません。そうです、答えが9になる考え方、1になる考え方、どちらも出来てしまい、どちらも正解の考え方なんですよ。そして、この問題のような表記をした場合にどう扱うべきなのか、というのは、あろうことか明確に定義されていないらしいのです。2(1+2)は掛け算の省略としても、係数であるとしても、どちらでも良いことになっています。困りましたね。この場合は問題の書き方がおかしいので、答えは一意に定まらない、というのが現在の一般見解となっています。
(※注意) ただし、2xのように文字式になっている場合は2は係数ですから、例えば6x÷2x=3になります。6x÷2x=6x÷2×x=3x^2とはなりませんよ。
数学ともあろうものが、そんなテキトーでいいの?
別にいいんですよ。ここの議論は、6÷2(1+2)という式が「何を意味しているか?」という、表記の問題だからです。数学は一意に答えが決まる究極の論理ですけれど、そこに至っていないような問題なんですよね。「大きい鳥の巣」って書いたときに大きいのが鳥なのか巣なのか分からないな、というような問題と変わりません。言葉の問題なので、通じればいいような話なのです。
当然表記も厳格に決まっていて欲しいのですけれど、実際決まっていないのですから、こんな曖昧な書き方はしないように注意すればいいのです。
答えが9になって欲しいなら、6÷2×(1+2)
答えが1になって欲しいなら、6÷{2(1+2)}
と、それぞれ書くようにしましょう。曖昧な書き方はしないこと! そういう教訓だと思いますこの問題は。