RPGツクールと数学のブログ

RPGツクールと数学についてのブログです。

ピクチャ主体のゲーム作成ツール(基礎編1/6)(RPGツクールMZ)

まずは動かしてみる

前の記事でダウンロード頂いたデータに、POPサンプルプロジェクトがあります。これは、ピクチャゲーム作りのツールを動かすために必要な命令が組み込まれた空プロジェクトです。

このプロジェクトをコピーして、まずは動かすところまで試してみましょう。基礎編では最低限の使い方の説明だけをします。詳しい説明は、応用編でしていきます。

プロジェクトをRPGツクールMZで開くと、いくつかマップが用意されています。「エントリーポイント」ではゲームの初期設定を行うだけで、以降は触る必要がありません。ゲームのメイン処理は「メイン処理」で行うので、「メイン処理」を開きます。(これらのマップ名は好きなものに変えていただいても構いません)

メイン処理にはまだ何もないので、早速何かイベントを追加してみます。どこでもいいので、イベントを配置してください。

このメイン処理マップで作成するイベントにはルールがあります。

ピクチャゲーム作成ツールのプラグインは、ここで作成されたイベント画面をそのまま解釈するのではなく、特殊な読み替えをして動くので、そのルールを守るように作成しないと動作しません。

まずは例として、イベント名を「★ベイ助」としてください。先頭に「★」がついたイベントは、パブリッククラスといって、他マップから参照できるものになります。詳しい説明は次回以降です。

次に、イベント実行内容を作成します。実行内容では、スクリプト」「注釈」「一部のプラグインコマンド」の3種類の命令しか動作せず、その他の命令はすべて無視されます。スクリプト以外の処理は書けないので、注意してください。まず先頭行に注釈イベントを挿入し、半角かっこで「()」とだけ書いてOKしてください。この意味も後述します。

1行目に注釈が出ました。このように、本ツールでは注釈が意味を持ちます。次に2行目にプラグインコマンド「PopManager」の「初期化」を選択してください。

これは、ピクチャの初期設定を行う命令です。サンプルプロジェクトには画像のサンプルを同梱しているので、試しにそれを使用します。引数を以下に設定してください。その他はそのままでいいです。

  • this.filename ⇒ 「sample/baysuke」
  • this.x ⇒ 「408」
  • this.y ⇒ 「312」
  • this.divX ⇒ 「3」

これで一旦、実装完了です。表示するピクチャの設定をしただけです。

なお、イベント画面の左側にあるオプション(出現条件や画像、トリガーなども含めて全部)は、何を設定しても本ツールの動作に何も影響しません。そのため、編集画面で見やすいように何かキャラクター画像を設定するなどしていただいても問題ないです。

最後に、「エントリーポイント」マップに移動して、実行するイベントがこの「★ベイ助」になるよう設定しましょう。

エントリーポイントマップは、先ほどのメイン処理マップとは違って何でもない普通のマップですので、スクリプト以外のイベント命令も、トリガー等も当然自由に使えます。真ん中あたりにある「new global.★★★★★();」となっている部分のスクリプトを編集ください。

これを、「ゲームオブジェクト = new global.ベイ助();」に書き換えてください。★ベイ助とする必要はないので注意してください。

これで設定完了です。テストプレイしてみると、設定した画像が表示されることが確認できると思います。

何を表しているのかというと、イメージとしてはさっきメイン処理マップで設定したイベントはこのピクチャであるという感じです。

普通のイベントは歩行グラフィックが割り当てられて自律して動くものという認識だと思いますが、このツールを介したイベントは歩行グラフィックの代わりにピクチャが割り当たっているといったイメージです。ピクチャを主体としたイベント作成ができるようになるわけです。(ちょっととっつきづらくて意味不明かもしれないですが…)

試しにこの画像を自由に動かせるように修正してみましょう。

さっきのメイン処理マップに戻り、「★ベイ助」イベントに2ページ目を追加してください。

一行目に注釈を入れます。今度は「更新」とだけ書いてください。

二行目に、スクリプトを追加します。スクリプトの内容は以下をコピペしてください。スクリプトの意味は、今は分からなくても大丈夫です。タッチされたら、タッチした方向へ移動するといった意味です。

if (TouchInput.isPressed()) {

    if (TouchInput.x < this.x) this.x -= 4;

    if (TouchInput.x > this.x) this.x += 4;

    if (TouchInput.y < this.y) this.y -= 4;

    if (TouchInput.y > this.y) this.y += 4;

}

これで2ページ目完成です。

テストプレイしてみると、画面上をクリック押しっぱなししたところに向かって画像が移動していくのが確認できると思います。

今作った2ページ目は先頭に「更新」と書いたとおり、ピクチャの更新処理を表しています。1ページ目の初期設定で作成したピクチャを、どう動かしていくかの処理を2ページ目に設定しました。タッチした方向へ移動するようなスクリプトを書いたので、そのとおり動作しましたね。

まとめは以下です。

  • このツールは、イベントをピクチャ主体に読み替えるもの。
  • ピクチャの初期設定や、どういうふるまいをするかを、イベントページで設定する。

次回の記事では、さらにピクチャを増やしてみます。

基礎編では、使い方の説明に留めます。仕組みは今の段階では意味不明だと思いますが、詳しい解説は応用編でしていこうかと思います。

 

次の記事へ

TOPに戻る