RPGツクールと数学のブログ

RPGツクールと数学についてのブログです。

部分分数分解の公式(ヘビサイドのカバーアップ法)

過去ブログの転載です。雑な手書き数字のままなのは許してね(;ω;`)

f:id:fermiumbay13:20190802004904p:plain

部分分数分解とは、このような分母が因数の積になっているものを、それぞれの因数に分けた分数の足し算で表すことです。定数A、B、Cを求めれば、右辺の形にすることが出来ます。この手法は、積分ラプラス変換をするときに重宝します。

普通はどうやって求めるかというと、右辺を通分して恒等式にして定数を求めます。この程度であれば求められるかもしれませんが、あまりに分数の数が多くなってくると、計算量がとても多くなってしまいます。

これを簡単に求まるようにする方法に、ビサイドのカバーアップ法というものがあります。

f:id:fermiumbay13:20190802004923p:plain

こうすれば、簡単にA、B、Cの値が求まります。恒等式を作らなくても求まってしまいますねぇ。求めたい係数の分母の式が0になるときのxの値を用います。

Aであればx=0、Bであればx=-1、Cであればx=-2

そして、もとの分数から、求めたい係数の分母の因数だけを省いた式のxに、さっきの値をそれぞれ代入します。すると、上図のように係数が求まります。

この方法なら通分をしなくていいので、巨大な分数でも部分分数分解できますね。

f:id:fermiumbay13:20190802004940p:plain

このように、因数に2乗とか3乗があった場合は厄介です。
例えば3乗の因数の分数がある場合は上図のように、3乗、2乗、1乗の3つの分数が必要です。
そのため、求める係数の数が多くなります。

f:id:fermiumbay13:20190802004958p:plain

ここまではさっきと同じです。

2乗、1乗という後でくっつけた分数の係数を求めるには、Bを求めるのに使った8/xを順次微分します。それを、求めている回数の階乗で割ります。そのxに値を代入します。3乗、2乗、1乗の因数の係数を求めるときは、
それぞれ0!、1!、2!で割ります。

Bは0!=1、Cは1!=1、Dは2!=2で割る必要があります。

f:id:fermiumbay13:20190802005014p:plain

階乗を割るのを忘れてしまいやすいので、注意が必要です。しかし、それにさえ注意すれば後は注意すべき点は微分ぐらいなので、あっさり求められるでしょう。

見た目は複雑ですが、慣れると大したことはありません。部分分数分解が楽しくなります^^;

次の積分を解いてみましょう。一見すると面倒でとてもやる気が起きませんが、部分分数分解さえ簡単に出来ればラクです。

f:id:fermiumbay13:20190802005028p:plain

まずは部分分数分解します。慣れるとほいほい出来ます。

f:id:fermiumbay13:20190802005042p:plain

このようになりました。微分して階乗で割って代入してを繰り返します。
部分分数分解さえできれば後は簡単です。

f:id:fermiumbay13:20190802005057p:plain

求まりました。意外とあっさりしていますでしょう。この方法は、このように役立てることが出来るのです。

ただし、この方法は1次式の因数の場合でなければ使えません。分母に因数分解できない2次式がある場合は、最初に述べた恒等式を使って下さい。