RPGツクールと数学のブログ

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小学校の図形の公式

過去ブログの転載です。

今も多分変わっていないと思うのですが、小学校で登場する図形のうち面積とか体積を公式として求められるものには次のようなのがありました。

① 長方形の面積(縦×横)
② 正方形の面積(一辺×一辺)
③ 平行四辺形の面積(底辺×高さ)
④ 三角形の面積(底辺×高さ÷2)
⑤ 円の外周の長さ(直径×円周率)
⑥ 円の面積(半径×半径×円周率)
⑦ 直方体の体積(縦×横×高さ)
⑧ 立方体の体積(一辺×一辺×一辺)
⑨ 台形の面積((上底+下底)×高さ÷2)
⑩ ひし形の面積(対角線×対角線÷2)

教科書には一応どうしてそうなるのかなど、ちょっとだけ書かれていると思うのですが、小学校の段階ではそんなのより、上の公式をあいことばみたいにして覚えましたよね。だから、三角形がなんで底辺×高さ÷2になるのか??とか、なかなかパッと答えられる方って結構少ないのではないかと思うのです。私もです。

そこで、実際にそれらの面積の公式を求めてみました。非効率かもしれませんが、ご了承ください。厳密なことも書きませんよ。

面積の定義

まず、面積ってなんだ??というとこからスタートしましょう。以下では、1平方センチメートルを1cm^2と書きます。1cm^2とは、縦が1cm、横が1cmの正方形で囲まれた領域の面積と決めます。

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この四角形がいくつぶんの広さなのか?というのが面積です。

同じようにして1平方メートルを1m^2と書きますが、1m^2は縦1m、横1mの面積です。前後しちゃいますけど、正方形の面積は一辺×一辺なので、1m^2は1m×1m=100cm×100cm=10000cm^2になります。100cm^2じゃないので要注意です。

それでは順番に求めていきましょう。

① 長方形の面積

1cm^2のタイルを繋ぎ合わせて長方形ができていると考えましょう。

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縦が3cm、横が5cmの長方形があると、↑こんなふうに並べられますね。1cm^2が全部で3×5=15個あります。よって、面積は15cm^2といえます。

長方形の面積=縦×横 として求められるということになります。

(蛇足)
なんで縦×横であって、横×縦じゃないんだ?というのがよく言われるのですけれど、とりあえず数学的にはもちろんどっちでもいいです。横×縦は決して間違いじゃありません。ただ、指導として「公式」をしっかりと覚えて使えるようにするという思いから、必ず縦×横として、そのように公式を使わなくちゃダメだというのがあるそうです。横×縦だと減点されてしまうという事例の主な理由は、多分そういうことだと思います。

小学校でそれまでに公式ってあったかどうか忘れちゃいましたけれど、面積の公式としては最初のものですからね。しっかり使えるようにという指導のためでしょう。それだったら、テストのとき減点じゃなくて、注意書きで「縦×横と計算しよう!」みたいに書き添えればいいと思うのですが……

② 正方形の面積

正方形は、長方形の特別なバージョンです。

中学以降の捉え方だと思いますけど、「正方形は長方形」です。縦と横の長さが等しいというだけ。縦と横の長さが等しいのですから、ともに「一辺」と表して、正方形の面積=一辺×一辺として求められます。

③ 平行四辺形の面積

平行四辺形は、平行な二組の線で作られた四角形です。平行な線四辺でできてるからそういう名前なのですね。面積は次のように考えます。

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①の赤、②の青、③の赤を合わせたものが、平行四辺形の面積になります。

ここで、①と③の斜辺は平行で、長方形の大きさも一緒なので、右のように重ねられます。①と③が重なった部分は1個の長方形になるわけです。そしたら右のは普通の長方形だから、縦×横で求まりますよね。

縦に相当するのが「高さ」です。横に相当するのを考えてみると、これは左の①と②の「底辺」と一致してますね。ですから、高さ×底辺とすれば、平行四辺形の面積になります。

教科書ではひっくり返して、平行四辺形の面積=底辺×高さとして教えられてます。

ありゃりゃ、早速矛盾してますね。これ横×縦になってますけど……掛け算はひっくり返しても同じになるのでこれでいいのですが、なんか釈然としませんね。

④ 三角形の面積

平行四辺形をこのように半分にします。すると、このように三角形になります。

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①と②の下辺のことを「底辺」と呼んでいて、縦の長さを「高さ」と呼んだのですから、この三角形の面積を求めるには、さっきのようにして平行四辺形の面積を求めて、その面積を半分にしてしまえばOKですね。

三角形の面積=平行四辺形の面積÷2ということです。したがって、三角形の面積=底辺×高さ÷2となります。

⑤ 円の外周の長さ

円は次のような構造をしています。

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中心から外周までの距離のことを半径といって、それを2つ合わせて外周から外周までの距離にしたものを直径といいます。コンパスを使って円をかくときは、針を中心に刺して半径の分だけコンパスを広げてぐるっと回せば円になりますよね。そういうこともあって、円は中心や半径が重要なものになってます。

そこで、円の外周の長さは直径に比例するわけですが、不思議なことに、その比率は常に一定で、3.141592……という数になってるわけです。これが円周率です。小学校で出てくる多分一番不思議な数かもしれません。

円の外周の長さ=直径×円周率となります。円周率は無限に続くので、3.14で切るのが普通ですね。

⑥ 円の面積

円の面積の求め方はちょっと不思議です。このように円を、中心を基準にしていっぱいに分割するのです。そしたら、底辺がちょっと曲がった三角形が大量にできますよね。それを右のようにしてくっつけます。端を調整すれば長方形になります。

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細かくいえば底辺が曲がってるので三角形じゃないのですが、分割数をものすごく多くしていくと、徐々に一つ一つは本当に三角形になってきます。すると、右の長方形の横の長さというのは、円周の半分と同じ長さと見なせますね。縦の長さはこれまた歪んでいますが、半径と同じ長さと見なすことができます。よって、円の面積=半径×円の外周÷2となるのです。不思議ですね。

円の外周=直径×円周率でしたから、円の面積=半径×直径×円周率÷2
そして、直径÷2とは半径のことですから、結果として円の面積=半径×半径×円周率となるわけです。

⑦ 直方体の体積

体積は次のように定義されます。

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1cm×1cmの面積を1cm^2と定義したように、1cm×1cm×1cmの体積を1cm^3とします。1立方センチメートルです。体積は立体の大きさを表わすのですね。

実は1cm^3という単位よりも前に、小学校では体積の単位が出てきます。リットルです。水のかさとして習うと思いますが、これは体積の単位です。

1ミリリットルは、1cm^3と同じなのですよ。1リットルは1000cm^3と同じです。ちなみに1m^3は、100cm×100cm×100cm=1000000cm^3ですので、注意しましょう。

直方体というのは長方形に厚みを加えてできた立体のことですから、上の1cm^3のブロックを積み重ねて体積とします。

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ブロックの数は全部で4×5×3=60個ありますから、体積は60cm^3となります。よって、直方体の体積=縦×横×高さとなります。長方形に高さが増えただけですね。実際、4×5=20cm^2の長方形に3cmを掛けて、20×3=60cm^3と求めることもできます。

⑧ 立方体の体積

縦、横、高さのすべての長さが等しくなったので、すべて「一辺」と表わして立方体の体積=一辺×一辺×一辺として求められます。

⑨ 台形の面積

平行四辺形は平行な辺の組が2組ある四角形でしたが、台形はそれが1組だけで、もう1組の辺は平行になっていないような四角形です。ということで、平行四辺形は台形の特別なバージョンだといえます。

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さっきの平行四辺形の②の部分をさらに②A、②B、②Cの3つに分割して、②Aと②Cは同じ大きさ、②Bに斜辺を引いてみます。そうすると、台形になっている赤い部分と黄色い部分の面積は一緒になるのです。赤と黄色を合わせたものが平行四辺形でしたから、台形はこの平行四辺形の半分の面積として求めることができることになります。

平行四辺形の底辺は、それぞれの台形の上の辺と下の辺をそれぞれ足したものですから、「上底+下底」になるわけですので、台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2として求められるのです。

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台形がこういう形でも考え方は同じです。いずれにせよ底辺=上底+下底になりますから、同じように求まります。

⑩ ひし形の面積

ひし形はすべての辺の長さが等しい四角形のことを意味します。正方形と似てますが、正方形はさらにすべての角も等しくなければなりません。ひし形は別に角度は同じである必要はないです。むしろ平行四辺形の特別バージョンですね。ですから、高さがわかっていれば平行四辺形と同じようにして求められます。ただ、ひし形の場合は対角線の長さから簡単に面積が求まるのです。

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対角線が二つありますが、↑このように周りに見えない長方形があると考えると、
ひし形はすべての辺の長さが等しいので、この長方形はちょうど4つの長方形がくっついてできているような形になってます。

1つの長方形につき同じ面積の白い三角形と赤い三角形があるので、全体として赤い部分の面積は、周りの大きな長方形の半分の面積だとわかります。この長方形は横の長さが対角線1、縦の長さが対角線2なので、ひし形の面積=対角線×対角線÷2と求まるわけです。