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四則演算だけの電卓でn乗根

過去ブログの転載です。

電卓持ち込み可、ただし関数電卓は禁止、とかいうテストがよくあると思います。そういう状況でも、もしルートとかが計算できればテストが楽になる場面もあると思います。

ここでは、四則演算だけの電卓を使って、ルートの計算、三乗根の計算、果てはn乗根の計算を実施してみましょう。メモリー機能があると楽です。

平方根

 \sqrt{A}を求める場合は、以下のようにします。まず初期準備として

[A]
[M+]

とします。M+が無かったら、これは今打った数字を覚える、という意味なので、紙に数「A」を覚える、というので置き換えてもOKです。そして、↓これを飽きるまで繰り返します。

[A]
[÷]
[MR]
[+]
[MR]
[MC]
[÷]
[2]
[=]
[M+]

「MR」は、さっき記憶した数を出す機能、「MC」は、記憶した数を消す機能です。「MR」「MC」がなくて、代わりに「MRC」がある電卓の場合は、上記を全部「MRC」に置き換えてもOKです。

例:\sqrt{2}を求める。

まず、電卓で

[2]
[M+]

と押します。メモリーに「2」が入りました。その後は以下を繰り返します。

[2]
[÷]
[MR]
[+]
[MR]
[MC]
[÷]
[2]
[=]
[M+]

1回目:1.5 ((2÷2+2)÷2=1.5)
2回目:1.4166666 ((2÷1.5+1.5)÷2=1.4166666)
3回目:1.4142156 ((2÷1.4166666+1.4166666)÷2=1.4142156)
4回目:1.4142135 ((2÷1.4142156+1.4142156)÷2=1.4142135)

段々、√2=1.41421356……に近づいていきますね。

この方法はニュートン法という近似値を求める手法に基づきます。ルートの計算は案外収束が早くて便利です。

三乗根

 \sqrt[3]{A}を求める場合は、以下のようにします。ルートの計算ととても似ています。まず初期準備として

[A]
[M+]

とします。そして、↓これを飽きるまで繰り返します。

[A]
[÷]
[MR]
[÷]
[MR]
[+]
[MR]
[+]
[MR]
[MC]
[÷]
[3]
[=]
[M+]

割る数と足す数が増えて、最後に割り算する値が3になったのが違いです。これで三乗根が求められます。 

n乗根

それなら、 \sqrt[n]{A}も同様に求められそうですね。初期準備として

[A]
[M+]

として、↓これを繰り返します。

[A]
[÷]
[MRC]
[÷]
[MRC]
[÷]
[MRC]
 :
 :(n-1回)
 :
[+]
[MRC]
[+]
[MRC]
[+]
[MRC]
 :
 :(n-1回)
 :
[MRC]
[÷]
[n]
[=]
[M+]

慣れると割と現実的に出来る方法なので、四則演算だけの電卓で何故かn乗根を求めなければならない状況に遭遇しましたら、ぜひご活用ください。